極東ライジング
陽はまた昇る。極東から、血の海から。
Main Writer
和泉(@izumiscript)
ハリウッド式脚本の記号について
KeyVisual
AI llustrator:サチ(@puchikonne13)
Design:有邊冬萠・サチ(@puchikonne13)
Art Direction : USD
制作実績
陽はまた昇る。極東から、血の海から。
Main Writer
和泉(@izumiscript)
ハリウッド式脚本の記号について
KeyVisual
AI llustrator:サチ(@puchikonne13)
Design:有邊冬萠・サチ(@puchikonne13)
Art Direction : USD
腐敗した既得権益層の秘密組織に、元財務官僚と元依存症患者を中心にした
若手の組織が戦いを挑む、ノワール・アクション・サスペンス。
日本の既得権益層によって支配されている政財界、そしてメディアなどを風刺的に描くことによって、「社会問題 × エンターテインメント」を描きたい、というのが企画の根源になります。
新旧の組織が巨額の秘密資金を巡って熾烈な戦いを繰り広げるという軸と、失われた尊厳や正義を取り戻すために個人が死力を尽くす、という二つの軸で本作は進んでいきます。
主人公である加納礼司は、財務官僚時代に追い求めた“日本再興戦略”のヴィジョンに必要な資金を集めるために手を汚し、もう一人の主人公である有働達也は、家族や自分自身の尊厳を取り戻すために強大な権力と対峙します。
生活やお金に不自由することはないものの、その代償として傀儡となって生きることを余儀なくされている有働家の親子。
そして巨大な理想を追う者の宿命として、回復不能なほどの挫折を経験した元財務官僚の礼司と仲間たち。
彼らが再び、地べたから起き上がる(起き上がって欲しい)という想いを、本作のタイトルである「極東ライジング」に込めました。
また、本作では既得権益層を悪者として書いていますが、彼ら自身も若い頃は理想に燃え、共同体を守るために戦ってきたというストーリーを紡ぐことで、善と悪、地方と都市、伝統と現代、そして個人と集団という対比によって浮かび上がるマダラ模様を、多視点のエンターテインメントとして描きたいと思っています。
加納礼司(35) 元財務官僚のベンチャー・キャピタリスト 依存症患者を支援する友人のNPO法人を手伝っている
有働達也(35) 英国式パブ「East Beast」店長 元薬物依存症患者 初代「ちんぐうさん」の曾孫
浅野雄大(42) 元ノンキャリの財務官僚
高城 薫(31) 元キャリア財務官僚
市井豪太(30) 元プロレスラー 元薬物依存症患者
久米誉士夫(86) 秘密資金管理団体「ちんぐう会」幹事長 徳島県某市で酒屋と料亭を経営
岩丸誠吾(72) 徳島県選出の衆議院議員
北見広重(78) 大手モデル事務所 北見プロモーション会長
後藤一馬(67) セキュリティ会社 旭日警備保障社長
富永啓嗣(58) 資産運用会社 名東アセットマネジメント社長
富永紗季(29) 啓嗣の娘
有働義純(65)当代の「ちんぐうさん」 達也と謙也の父
有働謙也(29)義純の二男 達也の弟
物語は1942年、徳島県のある村から始まる。
村人たちは「ちんぐうさん」と慕われた故人の火葬を行っていた。戦時中、困難に喘ぐ村を救った彼の死を悼んだ村人たちは、その遺歯を分けて持ち合うことを決める。彼が遺したものを守り、功績を後世まで伝えるために。
時は流れ、現代の東京—— 。元財務官僚でベンチャーキャピタリストの加納礼司(35)が日本の再興戦略についての講演を行い、国内の余剰資産を次世代への長期的な投資に回すべきだと訴えていた。その資産の出所を司会者に聞かれ「どこかから強奪してこようと思ってる」と冗談を飛ばし聴衆を沸かせる礼司。
だが、その発言の裏にはある計画が隠されていた。
その夜、六本木の英国風パブ「EAST BEAST」で傍若無人に暴れる外国人客を、店長の有働達也(34)が鮮やかな体技で制していた。喝采を受ける達也は気恥ずかしそうにその場を後にし、とある雑居ビルの屋上へと向かう。そこで達也を待っていたのは、昼間の講演で日本再興戦略について語っていた男、礼司だった。
いよいよ今夜始動する、彼らの計画とは—— ?
一方、銀座の高級クラブでは、徳島を地盤に持つ衆議院議員の岩丸誠吾(72)がホステスと戯れていた。店を出た岩丸が車に乗り込むと車内に催眠ガスが噴射され、意識を失った岩丸はどこかへと連れ去られる。改修工事中のビルの一室で目覚めた岩丸を待ち受けていたのは、最新鋭のAIプログラムによる尋問。その醜悪な本性と本音を暴露され、泣き出す岩丸。その背後には礼司の姿があった。
さらに大手モデル事務所の会長である北⾒ 広重(78)もまた、ホテルのスイートルームで性接待を受けていたところ、達也による襲撃を受ける。
そこで明らかにされる事実——。
岩丸と北見は「ちんぐう会」という徳島を発祥とする秘密資金管理団体の重鎮であり、その会は莫大な資金力によって政財界やメディアなど国の中枢にまで影響を及ぼしていた。
礼司の目的はその秘密資金を奪い、財務官僚時代に追い求めた「日本再興戦略」の資金とすること、そして達也の目的は同会の傀儡として廃人化された父を含め、家族と自分自身の尊厳を取り戻すこと。
彼らはその資金と力を奪うためのキーである「歯」を持つ二人を標的にしていたのだった。
翌朝、「ちんぐう会」会の実質的なリーダーで、地元の徳島で酒屋と料亭を経営する久米誉士夫(86)は東京で起こった異変を察知し、冷酷無比で鳴らす実働部隊に対応を命じる。
戦時中に築かれた秘密の資産と、入り乱れる権謀術数。礼司、達也、そして彼らの仲間が挑む戦いの行方は——。
『極東ライジング』の第一話は、過去と現在が交錯する壮大なクライムサスペンスの幕開けとなる。